ストーカー規制法の行政処分とは?警告・禁止命令を元警察官が解説

『警察署に相談しに行ったが受理してもらえなかった。』このようなお悩みを抱えている方は少なくないでしょう。もちろん、それは福岡県でも頻発している出来事です。元警察官としてストーカー規制法に一歩踏み込んでご説明したいと思います。近年、報道等でもご存知のとおり、ストーカー被害の相談は全国的に増加しています。被害が深刻化する前に警察が行う対応の一つが「行政処分」です。具体的には、警告や禁止命令などがあり、これらは刑事事件に発展する前の重要な措置といえます。しかし、「どの段階で警告が出るのか」「禁止命令とは何なのか」など、制度の内容を正しく理解している人は多くありません。本記事では、元警察官の視点からストーカー規制法における行政処分の仕組みや流れ、そして被害を防ぐために知っておくべきポイントを分かりやすく解説します。



1 ストーカー規制法とは

・1-1 ストーカー行為の定義

ストーカー規制法は、正式には「ストーカー行為等の規制等に関する法律」と呼ばれています。この法律は、恋愛感情や好意、またはそれが満たされなかったことへの恨みなどを原因とするつきまとい行為を規制するものです。

具体的には次のような8つに分類された行為が対象になります。

・自宅や勤務先へのつきまとい
・待ち伏せや監視行為
・何度も電話やメッセージを送る行為
・面会や交際を強要する行為
・SNSなどで執拗に連絡する行為

これらの行為が繰り返し行われると「ストーカー行為」と判断される可能性があります。

・1-2 なぜ法律が必要なのか

ストーカー事件は、重大犯罪に発展する危険性があることで知られています。過去には、ストーカー被害がエスカレートし、殺人などの凶悪事件につながったケースもあります。

そのため、被害が深刻化する前に警察が介入し、加害者に対して警告や禁止命令などの措置を取る仕組みが整えられています。

この「早期対応」がストーカー規制法の大きな特徴です。


2 ストーカー事件で行われる行政処分

・2-1 警察による警告とは

ストーカー被害の相談が警察に寄せられると、まず事実関係の確認が行われます。状況によっては、警察が加害者に対して「警告」を行うことがあります。この警告の中にも、『文書による警告』と『口頭での警告』があります。

その2つのうち、積極的な警告が、『文書による警告』です。

警察が加害者に対して、

「この行為はストーカー行為に該当する可能性がある」
「今後このような行為を続けると処分の対象になる」

といった内容を文書で行うか、口頭で行うかの違いですが、書面で警告してもらう方が大きな意味があると考えます。

警告は刑罰ではありませんが、警察が正式に注意を行うため大きな意味を持ちます。多くの場合、この段階で行為が止まるケースもあります。警察官の中でも、その制度自体を理解していない者も多いため、口頭の警告を『警告』と呼んでいる者がほとんどです。警察から相手方に警告をすると言われた場合は、文書によるものか口頭によるものかきちんと確認すべきでしょう。

また、警察による警告は、ストーカーに該当する行為の反復は必要ありません。単発であっても、それが恋愛感情のもつれに起因するものであれば、警告を行うことができます。

ご相談は無料なので、お悩みの方は、お問い合わせください。

・2-2 公安委員会による禁止命令

警告をしてもストーカー行為が続く場合、次の段階として「禁止命令」が出される可能性があります。

禁止命令は、公安委員会が加害者に対して

・つきまとい行為の禁止
・被害者への接触の禁止

などを命じる行政処分です。

これは非常に重い措置であり、違反すると刑事罰の対象になります。


3 行政処分が出されるまでの流れ

・3-1 被害相談から警察の対応

ストーカー被害は、まず警察への相談から始まります。相談を受けた警察は、

・被害者からの事情聴取
・加害者の特定
・行為の確認

などを行い、状況に応じた対応を検討します。

被害の内容によっては、すぐに警告が行われることもあります。

・3-2 証拠と被害申告の重要性

行政処分を行うためには、被害の証拠が重要になります。例えば、

・メッセージの履歴
・通話履歴
・SNSのスクリーンショット
・防犯カメラ映像

などが証拠として役立ちます。

被害を受けた際には、記録を残しておくことがとても重要です。


4 行政処分に違反した場合

・4-1 禁止命令違反は刑事事件

禁止命令が出されたにもかかわらず、加害者がストーカー行為を続けた場合、それは刑事事件となります。

つまり、行政処分の段階を超え、刑事責任が問われることになります。

違反した場合には、逮捕される可能性もあります。

・4-2 逮捕につながるケース

例えば次のような場合には、逮捕につながる可能性があります。

・禁止命令後も被害者に接触した
・自宅や職場に押しかけた
・SNSで執拗に連絡した

ストーカー事件は被害者の安全が最優先されるため、警察も厳しく対応します。


5 被害を防ぐためにできること

・5-1 早期相談の重要性

ストーカー被害は、我慢してしまう人が少なくありません。しかし、被害が深刻化する前に相談することが非常に重要です。

早い段階で警察に相談することで

・警告
・行政指導
・禁止命令

などの措置が取られ、被害拡大を防ぐことができます。

・5-2 元警察官として伝えたいこと

私は元警察官として、多くのストーカー相談を見てきました。その中で強く感じるのは、「もっと早く相談してほしかった」というケースが多いということです。

ストーカー行為は、放置するとエスカレートする可能性があります。

・怖い
・恥ずかしい
・大ごとにしたくない

そう思う気持ちは理解できます。しかし、あなたの安全が何より大切です。

もし不安を感じることがあれば、迷わず警察や専門機関に相談してください。早期対応が、被害を防ぐ最も大切な方法です。

ご相談は無料です。お問い合わせはこちらから。