【無許可営業の重大リスクとは!?】風営法について知っておきたいことを元福岡県警の行政書士が解説

近年、いわゆる「コンセプトカフェ」「ガールズバー」「ホストクラブ」など――本当は接待を行っているにも関わらず、正しい手続きを経ずに営業を行う、いわゆる無許可営業の摘発事例が全国で後を絶ちません。こうした営業形態は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営法」)の規制対象であり、許可なく営業(無許可営業を)すれば重大な法的リスクがあります。

最近の法改正により、無許可営業の罰則は大幅に強化されました。たとえば、これまで「2年以下の拘禁または200万円以下の罰金」であったところが、今後は「5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金」、法人には「最大3億円」の罰金が科される可能性があります。 熊本県公式サイト+2毎日新聞+2

つまり――許可を取らずに営業すれば、経営者はもちろん、法人そのものが経済的にも致命的な打撃を受けるリスクがあるのです。


1.最近の摘発事例:無許可営業の現実

熊本県での「コンセプトカフェ」摘発(2025年12月4日)

2025年12月4日、熊本県警察 は、熊本市中央区のコンセプトカフェ経営者(32歳男)を、無許可で女性従業員に男性客の接待をさせた疑いで逮捕しました。 カブドットコム証券+2ライブドアニュース+2

報道によれば、このカフェでは約10名の女性従業員がおり、その中に 未成年者も含まれていた とのことです。警察は、単なる営業許可の欠如だけでなく、「年少者を含む雇用」の違法性も視野に入れて捜査を進めています。 カブドットコム証券+1

このような摘発は、決して “特異な例” ではなくなっているのが現状です。

以前は、【カウンター越しであれば、接待に該当しない】と言われていましたが、これは大きな間違いと言えます。接待は、カウンター越しなどの形式的なものではなく、営業形態や接客の態様に評価されます。多くのガールバーでは、カウンター越しではあるものの、お客さんの前に立ち、目の前のお客さんと継続的に会話していると思いますが、これも立派な接待に該当します。カラオケのデュエットなどは言うまでもなく接待です。今、この記事を読んで間違いに気づいたあなた。あなたのお店で、このような行為がある場合で、風俗営業許可を受けていない場合は、完全な摘発対象となるので、早急な対策をお薦めします。お問い合わせはこちらから。

兵庫県でも警戒強化 ― 無許可・違反営業への取締り

改正風営法の施行(2025年6月28日)を受け、兵庫県警察 は、ホストクラブやスナックなどに対する立ち入り検査および許可証や従業員名簿などの点検を強化しています。2025年7月の立ち入りだけでも、報告された18店舗中11店舗が対象となり、5店舗で何らかの違反が確認されました。 サンテレビ |+1

報道では、無許可営業だけでなく、広告宣伝内容の不適切さや、客との “色恋営業” を暗に示す営業行為も違反対象になっているとされています。 サンテレビ |+1


2.なぜ「郊外」のお店が危ないのか

特に、福岡県内の郊外(たとえば飯塚市、田川市、直方市など)では、無許可で営業している飲食店・コンセプトカフェなどの数が以前から指摘されています。実際、こうした地域の店舗は都市部のように華美な広告が少ないため、「目立たない」「地元客中心」という事情から許可を取らずに営業を続けようと考える経営者も少なくありません。

しかし、以下の理由から、郊外であっても 安心できるわけではありません

  • 警察は「地域警戒・情報収集」を強化しており、たとえ大きな広告を出していなくても、通報や噂、関係者からの情報で店の実態をつかむことがある。
  • 無許可営業だけでなく、未成年者の雇用、名義貸し、不適切な接待などがあれば、重大な犯罪として立件される可能性がある。
  • いったん摘発されれば、経営者だけでなく、法人そのものや関係者に対する罰則・行政処分がおよぶ。

これは、私自身が元警察官として現場に携わっていた経験からも、非常に高い確率で起こり得ることである――。法律や規則を過小評価することは、決して “ばれない小さなリスク” ではなく、経営を根底から崩す大きなリスクであると断言できます。


3.無許可営業は“たまたま見逃される”甘いものではない — これから店を開くなら

もしあなたが今「コンセプトカフェ」「飲食店での接待営業」「ガールズバー」「ホストクラブ」などの開業を検討しており、接待に該当する営業を行う予定であるのであれば、次のことを強くお勧めします:

  • まずは必ず、所轄の公安委員会に対して適切な許可を取得すること。
  • 従業員名簿の整備、従業員の年齢確認、料金やサービス内容の明示など、法律の遵守事項をきちんと守ること。
  • 許可申請を専門家である行政書士に依頼し、申請から許可取得までを確実に進めること。

当事務所では、風営法の許認可申請をはじめ、許可取得後の運営指導なども含めてトータルサポートが可能です。不安な点があれば、お気軽にご相談ください。


4.おわりに

無許可営業は、「一度やってしまえば大丈夫」「ばれなければいい」――そんな甘い考えは、もはや通用しません。

最近の摘発事例が示すように、警察の監視は強まり、法改正により罰則も厳格化されています。郊外だから、広告を出していないから、目立たないから――という理由で安心するのは非常に危険です。

飲食店・接待営業を始めるなら、まず正しい手続きを。安心・安全な営業を実現するために、ぜひ当事務所をご活用ください。

ご相談は無料です。少しでも気になる点があれば、解決しておくことをお薦めします。

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