飲食店の名義変更手続き ― 前オーナーから引き継ぐときの注意点

筑豊エリアでも、スナック・居酒屋・バーなどの「店舗を引き継いで開業したい」というご相談が増えています。
しかし、前オーナーの営業許可をそのまま使えるわけではありません。
名義変更のルールや、風営・深夜営業届の再提出が必要な場合もあります。
この記事では、飲食店を引き継ぐ際の名義変更手続きの流れや注意点を、行政書士の視点から分かりやすく解説します。


1. 飲食店の名義変更とは

(1) 名義変更の意味と必要性
飲食店の「名義変更」とは、営業許可の名義人(オーナー)を変更する手続きです。
実際には「営業許可の承継」や「新規許可申請」が必要になるケースが多く、単純に名前だけ書き換えられるわけではありません。
たとえば、前オーナーが廃業し、あなたが店舗を引き継いで営業する場合は、新たに営業許可を取り直す必要があります。

(2) 名義変更が必要になる主なケース

  • 居抜き物件を引き継いで開業する場合
  • 法人の代表者が変わる場合
  • 個人事業から法人化する場合
  • 親族間での事業承継(親から子への引き継ぎ)

2. 名義変更の基本手続きの流れ

(1) 営業許可証の確認と廃止届
まず、前オーナーの営業許可証の有効期間・内容を確認します。
前オーナーが営業をやめる場合、保健所へ廃止届の提出が必要です。
その後、新オーナーが新規の営業許可申請を行う流れになります。

(2) 新しいオーナーによる営業許可申請
営業許可は「人」に付与されるため、オーナーが変われば原則、新規申請が必要です。
新オーナーの身分証明書や図面、営業施設の確認書類を提出し、保健所の実地検査を受けて許可を取得します。


3. 注意が必要な「風営・深夜営業」のケース

(1) 風営許可は名義変更できない
スナックやラウンジなど、「接待行為」を伴う店舗の場合は**風俗営業許可(風営許可)**が必要です。
この許可は「個人・法人・店舗所在地」に密接に紐づいているため、名義変更は不可です。
オーナーが変われば必ず「新規許可申請」が必要になります。

(2) 深夜酒類提供飲食店営業届も再提出が必要
バーや居酒屋などで深夜(午前0時以降)にお酒を提供する店舗は、深夜営業届が必要です。
この届出もオーナー変更の際には再提出が義務付けられています。
無届で営業を続けると、警察からの指導や営業停止になるおそれがあります。


4. トラブルを防ぐための契約上のポイント

(1) 居抜き契約の内容を確認する
居抜きで店舗を譲り受ける場合、設備や備品の所有権が誰にあるか明確にしておく必要があります。
「冷蔵庫はリースだった」「看板の使用許可がなかった」などのトラブルはよくあります。

(2) 営業許可が取れるか“事前確認”をする
物件によっては、構造上や立地条件で営業許可が取れないこともあります。
契約前に、行政書士や保健所に相談しておくことで、後から「営業できない」という失敗を防げます。


5. 行政書士に依頼するメリットとまとめ

(1) 専門家に任せる安心感
名義変更や許可の再申請には、提出先が複数(保健所・警察・消防など)になることが多く、手続きが煩雑です。
行政書士に依頼すれば、図面作成から書類申請までを一括サポートできます。

(2) もりやま行政書士事務所のサポート体制
当事務所では、筑豊エリア(飯塚・直方・田川)を中心に、スナック・バー・飲食店の開業支援を多数行っております。
元警察官の行政書士が、風営・深夜営業・名義変更などの法令遵守を前提とした安全な開業をサポートします。
店舗を引き継いでの開業をお考えの方は、まずはお気軽にご相談ください。

ご相談は無料です。お問い合わせはこちらから。