福岡で飲食店開業に必要な営業許可と届出 ― 福岡・北九州でのポイント
はじめに
福岡県や北九州市で飲食店を開業する際には、保健所の営業許可をはじめ、複数の行政手続きが必要になります。
店舗づくりやメニュー開発に追われるなかで、つい後回しにしがちな許可申請ですが、無許可営業は営業停止などの行政処分につながる可能性もあります。
本記事では、福岡・北九州・筑豊エリアで飲食店を開業予定の方に向けて、必要な営業許可・届出・注意点をわかりやすく解説します。
① 飲食店営業に必要な「保健所の許可」
食品衛生法に基づく営業許可
飲食店を営業するためには、まず保健所の営業許可が必要です。
この許可は、食品衛生法に基づき、店舗の設備・衛生管理・動線などが法令基準を満たしているかを確認するためのものです。
筑豊エリアの場合は、**福岡県の保健福祉環境事務所(筑豊保健所)**が管轄します。
北九州市内の店舗は、北九州市保健所 食品衛生課が窓口となります。
許可取得までの流れ
- 事前相談(図面提出)
店舗の平面図をもとに、衛生基準や設備の確認を行います。 - 営業許可申請書の提出
食品衛生責任者の資格証明書、設備図面、登記事項証明書などを添付します。 - 保健所による現地検査
水回り・排水・換気・照明・手洗い設備などの衛生状態を確認。 - 営業許可書の交付
問題がなければ、申請から約2週間ほどで許可書が発行されます。
② 併せて必要なその他の届出
消防署への届出
火を扱う店舗では、防火対象物使用開始届出書の提出が必要です。
客席が多数ある店舗や階上店舗の場合、防火管理者の選任が求められるケースもあります。
税務署・県税事務所への届出
個人事業として開業する場合は、税務署へ「個人事業の開業届」を提出します。
また、従業員を雇う場合は「給与支払事務所等の開設届」の提出も必要です。
法人として運営する場合は、法人設立届出書・青色申告承認申請書なども同時に提出します。
③ 業種によって必要な追加許可
店舗の営業形態によって、追加の許可・届出が必要になる場合があります。
業種 | 必要な許可・届出 | 管轄機関 |
---|---|---|
居酒屋・バー | 深夜酒類提供飲食店営業の届出 | 警察署(生活安全課) |
焼肉店・ラーメン店 | 飲食店営業許可 | 保健所 |
テイクアウト・惣菜販売 | 食品製造業許可 | 保健所 |
移動販売(キッチンカー) | 移動販売営業許可 | 保健所 |
カフェでアルコール提供 | 飲食店営業許可+酒類販売手続き | 保健所・税務署 |
特に、午前0時以降に酒類を提供する店舗は「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が必須です。
この届出を怠ると、風営法違反となり、営業停止の対象になることもあります。
④ 開業スケジュールの目安
時期 | 内容 |
---|---|
約2か月前 | 物件選定・図面作成・保健所へ事前相談 |
約1か月前 | 営業許可申請・消防署へ届出・内装工事開始 |
約2週間前 | 保健所の現地検査・許可書交付 |
開業直前 | 税務署届出・営業開始準備完了 |
特に内装工事を行う際は、工事前に保健所へ相談することで、設備基準の不備を防ぐことができます。
⑤ 行政書士がサポートできること
飲食店開業の手続きは、保健所・消防署・警察署・税務署など複数機関にまたがるため、初めての方には煩雑に感じられることが多いです。
もりやま行政書士事務所では、
- 営業許可申請書類の作成・提出代行
- 店舗図面作成支援
- 深夜酒類提供飲食店営業の届出代行
- 開業までのスケジュール調整・アドバイス
などを一括でサポートしております。
福岡市・北九州市・筑豊エリアでの手続きに精通した行政書士が、スムーズな開業をサポートいたします。
⑥ まとめ
飲食店を開業するには、保健所の営業許可を中心に、消防署・税務署・警察署への届出など複数の行政手続きが欠かせません。
正しい手続きを踏むことで、安心して営業を始めることができます。
筑豊・北九州・福岡市で飲食店を始めたい方は、行政手続きの専門家である行政書士に相談することが成功への近道です。