マッチングアプリのトラブル相談 ― 行政書士ができる対応と限界

近年、恋愛や結婚の出会いの場として「マッチングアプリ」を利用する人が急増しています。
一方で、「金銭トラブル」「なりすまし被害」「誹謗中傷」「写真の無断使用」など、法的な問題に発展するケースも少なくありません。
今回は、マッチングアプリで起こりやすいトラブルと、行政書士がどこまで対応できるのかを解説します。


1. マッチングアプリで多いトラブルの実例

まずは、実際に多く寄せられるトラブル内容を見てみましょう。

  • ① 金銭トラブル(詐欺・貸したお金が返ってこない)
    「交際を前提にお金を貸したが、連絡が取れなくなった」という相談が非常に多くあります。
    明確な返済意思がなければ、詐欺罪に発展する可能性もあります。
  • ② なりすまし・写真の無断使用
    SNSや他のアプリで、自分の顔写真や名前を無断で使われるケース。
    プライバシー侵害や肖像権の問題として、法的対応が必要になります。
  • ③ 誹謗中傷や個人情報の拡散
    交際のもつれから、悪意のある書き込みをされることもあります。
    名誉毀損・侮辱・プライバシー侵害など、法的措置の対象になることがあります。

2. 行政書士ができる対応とは?

行政書士は「書類作成の専門家」として、次のようなサポートが可能です。

  • ① 内容証明郵便の作成
    「返金を求めたい」「誹謗中傷をやめてほしい」など、正式な通知文を相手に送ることができます。
    証拠を残すことができ、交渉の第一歩として有効です。
  • ② 合意書・示談書の作成
    当事者同士で話し合いができる場合は、取り決め内容を正式な文書として残すことが重要です。
    行政書士が法律に基づいた書面を作成し、後日のトラブルを防ぎます。
  • ③ SNS事業者への削除依頼文書の作成
    誹謗中傷や無断掲載などの削除を求める書面を整えるサポートも可能です。
    法的根拠を明示した内容にすることで、対応される可能性が高まります。

3. 行政書士の限界と、他士業との連携

一方で、行政書士にはできない範囲も明確にあります。

  • 相手との直接交渉や代理行為はできません。
  • 損害賠償請求や訴訟の代理は、弁護士の業務範囲です。
  • 刑事事件としての被害届の提出や告訴も、警察・弁護士の対応が必要です。

したがって、行政書士は**「初期対応」や「証拠の整理」「文書の整備」**を担い、
必要に応じて弁護士や警察と連携しながら進めることが重要です。


4. トラブルを防ぐためにできること

トラブルを未然に防ぐために、次のポイントを意識しましょう。

  • プロフィールや写真の取り扱いに注意する
    個人が特定される情報は、公開範囲を限定することが大切です。
  • お金のやり取りは絶対にしない
    交際相手であっても、金銭の貸し借りはトラブルのもとです。
  • スクリーンショットなど証拠を残す
    不審なメッセージややり取りは、後から証拠として役立ちます。

5. まとめ ― まずは専門家に早めの相談を

マッチングアプリのトラブルは、感情的な要素が強く、放置すると問題が複雑化します。
「まだ大ごとにはしたくないけど、どうすればいいかわからない」
そんなときこそ、行政書士への早めの相談が効果的です。

もりやま行政書士事務所では、内容証明や合意書の作成など、
トラブル初期の段階でお手伝いできる体制を整えています。

お気軽にご相談ください。お問い合わせはこちらから。
あなたの一歩が、安心への第一歩です。