風俗営業の許可は、誰に代行してもらえばいいの?

 皆様が風俗営業を開始したい場合、風俗営業の許可が必要となる場合がほとんどです。許可を取得するための書類は膨大であり、記載内容についても高い精度が必要となります。そのような書類の作成には、多大な労力がかかるため、この分野の専門家である行政書士に依頼し、許可の取得を代行してもらう場合が考えられます。しかし、近年、行政書士ではなく、カラオケ店などの業者が申請書類を代行して作成するケースが増えています。これらは、犯罪に抵触するおそれがあるため、これらについて説明したいと思います。

★ 風俗営業許可の申請は誰ができるのか。

 スナックなどの接待を伴う飲食店営業を行うためには、風俗営業の許可を取得する必要があります。風俗営業の許可申請は、営業者本人(または法人代表者)が申請できることはもちろん可能ですが、専門的な知識をお持ちでない方が個人で申請するとなると大変な労力がかかり、実際に営業を開始するまでの期間に影響を及ぼす可能性が非常に高いと思われます。そこで、頼ってほしいのが、営業者から依頼することができる行政書士です。したがって、カラオケ店などの業者が営業者本人に代わって申請することは違法となる可能性が高いのです。業者からすれば、書類は作成したものの、申請は営業者本人が行ったものであると言い逃れするケースも考えられますが、営業者に代わって書類を作成し、その代金を受けること自体、決して行政書士ではないため、違法となる可能性があります。たとえ、代金でなくても、『カラオケのこの機種を契約する代わりに書類作成を代行します』など、財産上の利益を受ける場合も、同様と考えられます。

★ 行政書士に依頼してください

 甘言を用いて書類代行をする業者は、営業者にとってみれば、とても良い人、良い会社として目に映るかもしれません。しかし、その業者に依頼したがために、犯罪などの面倒なことに巻き込まれるケースも否定できません。そして、大前提として、きちんと記載事項を具備した申請書類が作成できているか分かりません。そのような事態に陥れば、営業開始日も遅延することでしょう。もちろん、行政書士に依頼した上で、不備があれば、行政書士の責任であることは明確ですが、カラオケ店などの業者に依頼して不備があった場合、責任は依頼者の方にもあるものと解されるでしょう。せっかくの開店準備ですから、きちんとした手続きの下、許可を取得してください。

 カラオケ店などの業者も営業であることは理解できます。しかし、それぞれが守備範囲の中で勝負する必要があります。いわゆる、グレーゾーンに踏み込んで営業をする必要がないのです。また、お客さまをそのような事態に巻き込んではいけません。風俗営業許可取得に向けた代行は、行政書士にお願いします。